ベトナム・フエで過ごした文化交流と食の時間
- 今井 ようこ
- 2025年5月20日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年12月18日
─おはぎと麺と、忘れられない一週間─
フエへ来た理由と、文化交流という時間
2025年4月、ベトナム・フエにいました。
一年を振り返ってみて、真っ先に思い出す時間のひとつが、このフエで過ごした日々です。
編集のお仕事でお世話になっている方が、現在ベトナムで日本語の先生をされていて、そのご縁から、こちらのコミュニティで文化交流のお手伝いをすることになりました。
言葉を教える、というよりも、日本の暮らしや食、空気感を一緒に体験するような時間。手を動かし、味わい、笑い合うことで伝わるものが、きっとあるのだと思います。
子どもたちと作ったおはぎ
日本のお菓子として選んだのは、おはぎ。

本当は季節的に柏餅がよかったのですが、教室の設備や作業のしやすさを考えて、今回はおはぎにしました。
餡子と餅米は事前にホテルのキッチンで仕込みました。窓を全開にした開放感のあるキッチンで、汗をかきながら餡子を炊く時間。じわじわ暑いフエの空気と、小豆の甘い香りが混ざる、不思議で心地いい時間でした。
当日は、包む作業を子どもたちにお願いしました。ラップに餡子をのせて広げ、丸めた餅米をのせて包む。最初はおそるおそるだった手つきが、だんだんと慣れていくのが印象的でした。
餡は小豆のほか、きな粉、黒胡麻、そして緑豆。 こちらでは緑豆がとても身近な食材なので、白餡ではなく緑豆で作ってみました。おはぎに緑豆は初めてでしたが、あっさりしていて、どこかフエの味にも馴染む仕上がり。文化が混ざる瞬間は、やっぱり楽しいです。
フエの麺と屋台の風景
フエに来たからには、まずはフエの麺を食べなくては。
屋台で食べたブンボーフエは、丸い米麺に牛の出汁、ほんのり辛さのあるスープ。激辛ではなく、体がじんわり温まるような辛さです。

もやしや豆苗、香草をたっぷり入れて、ライムをぎゅっと絞ると、お肉の出汁なのに驚くほどさっぱり。最後まで重たくならず、また食べたくなる味でした。
地面に近いプラスチックのカラフルな椅子に座り、ぶんぶん走るバイクを横目に、麺とビール。
細かいことは気にしないで、目の前の美味しさを楽しむ。そんな時間も、フエの味の一部だった気がします。
こちらでは、女性はあまり飲まないらしいです。いつも飲んでいた私たちは、たまに、店の主らしきおばちゃんに、怪訝な顔をされていた、、ように感じたのは気のせいでしょうか。。
フエはベトナムの古都、お寺がたくさんあり、そのせいか精進料理の店がたくさんあるようでした。一度しか食べに行けなかったのですが、久しぶりに擬き料理を食べたり、スープにパイナップルが入っているのにビックリしながら、味わい深い精進を堪能しました。もっと行きたかったな。
こちらでは、新月と満月の日に精進料理を食べるんだそうですよ。ベジ料理を、そんな風に取り入れるのもいいかもしれないな、と思いました。米粉の麺と野菜やハーブたっぷりで料理、楽しい。
シジミ島と、地元の人たち
フエに来て翌日に食べたシジミご飯が忘れられず、どうしてももう一度食べたくなって、本場のシジミ島へ。
シジミご飯、シジミ粥、シジミ麺をオーダーしました。どれもとてもあっさりしているのに、味がきちんと染みていて、体にすっと入ってくる感じ。こちらでは朝ごはんに食べるそうですが、その理由がよくわかります。
食後、のどかな道を散歩していると、庭飲みをしていたおじさんたちに手招きされました。気づけばビールを渡され、乾杯。食べろ食べろと、シジミ炒めやお肉まで出てきて、小一時間ほど一緒に飲むことに。言葉は多くなくても、笑って乾杯を重ねる時間は、とてもあたたかくて、忘れがたい思い出になりました。

三人で過ごした一週間の終わりに
軽い会話から始まったこの旅が、現実になり、三人で約一週間を共に過ごしました。
毎晩部屋で飲み、よく話し、よく食べ、夜中まで笑って、朝になったらまた一緒にごはんを食べる。旅先なのに、どこか生活の延長のような、不思議と落ち着く時間でした。
一年を振り返ったとき、このフエで過ごした時間が、じんわりと浮かんできます。特別な観光地や派手な出来事だけではなく、餡子を炊いだ匂い、屋台の麺の湯気、ビールを渡された手の温度。
時間は有限。 だからこそ、こんなふうに心に残る時間を、大切に重ねていきたいなと思います。
心からの感謝を込めて。


















































